ドローン試行 自治体が拡大
千葉県内の自治体がドローン(小型無人機)を試行する分野を広げています。
千葉市は学校の建物の老朽度合いを確認する実証実験に使い、南房総市は海上捜索活動への活用に向けた訓練を行いました。
ドローンの産業利用が広がる中、自治体も多様な使い方で実用化する段階が近づいているそうです。
千葉市は12日、花見川区の中学校でドローンを使った体育館の老朽化調査を行いました。
目視で確認するのが難しい体育館の屋根や外壁の上部をドローンを飛行させて撮影し、画像を解析して3次元モデルを作り、体育館の傷み具合を正確に把握できるか検証する調査です。
同市はドローン活用の先進自治体で知られ、市有地4カ所を「ドローンフィールド」として無料で貸し出しているのはご存知でしょうか?
ただ、これまでの実証実験はいずれも同フィールドを使っていました。
今回はフィールド外で行う初の実証実験で、実用化を見据えて行政施設などでより実践的な実験に取り組む方針です。
海上で遭難した船の捜索訓練にドローンを用いたのは南房総市です。
今月5日、富浦漁港周辺で実施した訓練で、市と民間事業者のドローン計4基を飛行させました。
市はこれまで、災害時の被害状況確認や行方不明者などの捜索活動を効果的に行うためドローンの活用を検討してきました。
市は「ドローンを実際に活用できるかを検証するため、訓練を定期的に実施したい」(消防防災課)と説明しています。
大多喜町は3月下旬、町役場職員を対象にドローン操縦の研修会を開催し、各課から集まった職員約30人が操縦方法や安全対策などを学んだそうです。
同町は総面積の約7割を森林が占め、大きな地震や豪雨などで道路が寸断される恐れもあります。
職員がドローンを操縦できるようになれば、被災状況の迅速な確認にもつながるとして、町所有の機体の購入も検討しているそうです。
ドローンの活用は国レベルでも検討が進みはじめています。
国土交通省や経済産業省などでつくる官民協議会が17年5月、ドローンの利活用や環境整備に関するロードマップを作成しました。
18年ごろには災害現場など無人地帯での目視外飛行を、20年代には人がいる場所での目視外飛行を目指しているそうですが、まだまだ課題は多そうですね。